東京大学グローバルCOE『統合生命学』特別セミナー
東京大学 大学院理学系研究科 生物化専攻セミナー
演者:本間 さと 教授
   北海道大学 大学院医学研究科 生理学講座
演題:季節を知る脳の時計:発光レポーターマウスを用いた解析
日時:平成21 年4 月11 日(土)14:00 ~ 15:30
場所:東京大学理学部3 号館4 階416 号室

生体の機能には、ミリ秒から年余に及ぶ様々な長さの周期をもつリズム があり、その多くは、背後に時計機構(ペースメーカー)の存在が明らかと なっている。中でも、約24 時間の周期をもつサーカディアンリズムの発振 機構、すなわち「生物時計」は、バクテリアからヒトまで共通に存在し、リ ズム発振の分子機構や、光による位相の調節なども基本的に一致している。 このため、サーカディアンリズムは、地上の明暗サイクルの下で生存するため 生物が進化の過程で獲得した生体戦略と考えられる。動物におけるサ ーカディアンリズム発振は、時計遺伝子の転写と蛋白産物による転写抑制 の自律発振分子フィードバックループによると考えられる。近年の分子時 計研究の急速な発展には、生物発光レポーター技術が大きく貢献している。 時計遺伝子転写活性や蛋白レベルを生物発光により組織レベルで、あるい は細胞レベルで遺伝子発現を連続測定することが可能となった。そこで、 各種発光レポーター技術と、発光レポーターマウスを用いて最近明らかに した日長の季節変化に応じて動物が活動時間を変えるメカニズムについて、 長期間連続測定や解析法を含め、紹介したい。

世話人:理学系 生物化学専攻 深田 吉孝