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概日時計発振系におけるBMAL2:CLOCK転写因子複合体の機能解析

〜BMAL1とBMAL2の機能的差異〜

J. Biol. Chem., 284(37), 25149-25159 (2009)

 概日時計の分子発振系において、BMAL1はCLOCKと共にE-boxに結合してPerやCryの転写を活性化し、転写・翻訳されたPERおよびCRYタンパク質はCLOCK:BMAL1の転写促進活性を抑制します。 これと同様にBMAL2は、CLOCKと結合してE-box依存的に転写を活性化することが知られているものの、概日時計機構における役割は不明でした。 深田研究室の佐々木らは、NIH3T3細胞におけるBMAL2の機能解析を行い、Bmal1もしくはBmal2を単独で発現抑制することにより細胞内の時計が停止することを見出しました(図1)。 このことからBmal1だけではなくBmal2も分子発振に不可欠であることが分かります。 さらに転写アッセイによりBMAL1とBMAL2の機能的差異を調べたところ、CRY2はBMAL1:CLOCK依存的な転写活性化をより強く抑制したのに対し(図2A)、PER2はBMAL2:CLOCKにより強い抑制能を示しました(図2B)。 さらに共免疫沈降実験において、PER2はBMAL1よりもBMAL2とより強く結合することが明らかになりました。 興味深いことに、BMAL1:CLOCKとBMAL2:CLOCKの転写促進活性を比較したところ、時計遺伝子プロモーターの違いによりE-box依存的な活性化の度合いが大きく異なることを見出しました(図2C)。 以上の結果から、BMAL1とBMAL2は互いに異なる転写ループを形成することにより、時計発振において異なる役割を担っていると考えられました(図3)。